君の瞳に映りたくて。



「ま、今日はこれで終わりなー。
テスト前だから明日からは休み。
テスト最終日からまた部活再開するからなー。」


「「「はい。」」」


……明日から5日間、部活は休みか。
あと少ししかないのにな……


「美乃里、ラスト走っていい?」


「えー?仕方ないなぁ…。
じゃあラスト一本だよ!」


「うん、ありがと!」


今は、このグラウンドで一本でも多く走っていたいから。


「行くよー?いちについて、
よーーい、ドンッ!!」


この、和泉と同じグラウンドで。


「…ふぅー…タイムは?」


「11.8。
さっきより、少しだけ上がったね。」


「ほんと少しね。着替えよ。
付き合ってくれてありがと。」


この、和泉と同じグラウンドで…か。
結局私はまだ前には進めていない。

……だってね、気づいちゃったから。
私が走ってるとき、和泉は私のことを見ていることに。


「ところでさー、舞桜。
もうすぐクリスマスじゃない?
香坂になにかあげるの?」


「あー、そのつもりなんだけどなにがいいのかわかんなくて…相場とか…」


「相場って。
なんでもいいと思うけど。
香坂は舞桜がくれればなんでも嬉しいんじゃない?」


「そんなもんかなぁ…」


「そんなもん。」


って言われても…なにがいいのか…
部活休みだし、次の休みにでも買いにいこっかな



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