君の瞳に映りたくて。



「……信じてもらえなくて当然だよな、俺。
最低なことしたもんな。

本当にごめん。
でも俺、本当に宮下と前みたいに仲良くしたいだけなんだよ。

……頼むから」


和泉はそう言って、座ってる私の後ろから抱き締めた。


「ちょ、ちょっと!
やめてよ!」


私は咄嗟に振りほどいて、立ち上がって距離をおいた。

せっかく、せっかく和泉を忘れて祥也だけを見れるようになったのに…
また振り回さないでよ……


「…さすがに前よりガード固いか~。
でもさ、アメリカじゃ挨拶でハグするだろ?
よろしく、ってさ。」


「こ、ここ日本だし…それに私はまだ和泉と仲良くするなんて言ってないじゃん」


声が、震える…
やっと祥也を好きになりつつあったのに、たったあれだけのことで、体が震える。心が揺れる。
……やっぱり私はまだ、和泉のことが好きなんだって


「んー、じゃあさぁ」


「えっ、わぁっ!」


なにかと思えば腕を引っ張られ、私は和泉の胸へダイブしていた。


「ちょ、離して」


なんで…抱き締めるの…
もう心臓が壊れそ……


「宮下がまた俺と友達になってくれるなら離す。」


「なんでこんなやり方……あれ?
……もしかして、和泉ドキドキしてる?」


「は!?」


「心臓の音が漏れてますよー」


「なっ、耳当てんな!バカ!」


「じゃあ離して。」


私が勝ち誇ったように言うと、和泉はすごく悔しそうな顔をして


「ひゃっ…!ちょ、和泉!」


私の背中をつーっと触ってきた。



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