君の瞳に映りたくて。



「……他は?なんもされてない?」


「んー、まぁくすぐられたくらい。」


「そ、ならよかったわ。
勉強は?少しは進んだ?」


「あぁ!…もうー、和泉のせいでなんにもできなかったじゃん!」


「だから教えてあげようと思って来たんじゃん。」


「祥也いるからいい。
それになんで知ってるの?」


「あんなでかい声で祥也と話してたらみんな聞いてるっつーの。」


「あぁ、そっか。
でも祥也がいるからいい。
和泉は帰りなよ。」


「いいじゃん。
春翔のが古文とか日本史は強いし教われば。」


「え、祥也は?」


「待ってるから。
早くやっちゃえよ。
明日からは走るんだろ?」


「うん、ありがと。
じゃあ…和泉お願いします。」


「その代わり俺の英語も頼むよ。」


「なんだ、やっぱり英語なんじゃん。」


「俺もプリントなんだと。
これおわんねーと部活行けないから頼むわ。」


「はいはい。」


私はさっきの席に座り直し、右に祥也、左に和泉が座った。


「和泉もなんで隣なの」


「……なんか俺に冷たくね?」


仕方ないじゃん。
こうでもしてないと、また和泉の方に流れちゃいそうで…自分が怖い。



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