君の瞳に映りたくて。



「く、暗い…」


19時過ぎの学校は、もう真っ暗だった。

なんで暗いだけでこんなに怖くなるのかな、学校って……


「怖いの?なら早く歩けよ?」


「う、うん。」


図書室の電気を消すと本当に真っ暗で、私は祥也の腕に抱きついた。
……のは、いいんだけどさ……


「……和泉はなんで私の腕にしがみついてるわけ?」


「だって俺も怖いし!」


「……和泉ってさ、意外と怖いもの多いよね。
修学旅行のときも、ジェットコースター乗れないとか言ってたし。」


「いいじゃん、別に!
俺も怖いんだから仕方ないじゃん。」


「まぁ別にいいけどさ。
でも祥也にしがみついた方が心強いよ。」


「……俺は遠慮しとく。」


「俺が祥也にしがみついてたら気持ち悪いでしょ。」


「…………確かに。
でもくっつかないでよ。」


「えー、友達じゃーん。」


……そうだけどさ
私の心臓がもたないってば…


「……早くいくぞ」


私はもう和泉はほっといて、祥也に連れられて早く校舎から出た。



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