君の瞳に映りたくて。



「で、どこ行く?決めてんの?」


「そもそも私ってあんまり遊んだりしないんだよね。
美乃里と遊ぶときは必ず映画だし。」


「へぇ、なに見んの?」


「いろいろ。恋愛も見るし、冒険とかアクションも好きだし、美乃里はホラーも好きだからたまに付き合わされる。」


「へぇ、ホラーねぇ。
ってか舞桜苦手じゃん。」


「そうだよ!それなのに見せるとか鬼でしょ。
まぁ前回見に行ったときは和泉が幽体化してたから家にいるときもあんま怖くなかったけどさ。
普段は夜一人だからもう最悪だった。」


「ふーん。」


「あ、今日はどこ行く?
ちなみに私は買いたいものがあるから、最後駅の近くのデパート行ってもいい?」


「なに買うの」


「キャリーバック。
おっきいやつをね。
荷物増えちゃって、足りなくて。」


「ふーん、なるほどな。
あと10日もないんだもんな。」


「なんかあっという間だったな~。
祥也と付き合ってからはさ、毎日安定してて楽しいから。」


和泉に片想いしてるときより、全然楽しい。
辛いこととかほとんどない。
ケンカもしないしね、祥也が優しいから。


「でも、まだ忘れられてねーんだろ?」


「……祥也のこと、ちゃんと好きだよ。」


「ふーん。」


あと少しなんだからそんな事聞いてこないでよ。
私は最後まで、祥也の彼女でいるんだから。


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