君の瞳に映りたくて。
「はよ。」
「あ、おはよ、祥也。
今日なんか先生が話あるって言うから帰りちょっと遅くなるかも。
帰ったらまた連絡するよ。」
「了解。」
「さーてと、走らなきゃ。」
私は祥也と分かれ、先生と準備体操に向かった。
今日も絶対いいタイム出すんだ。
「舞桜ちゃん、ちょっといいかな…?」
「……優衣ちゃん…うん、なに?
あ、そうだ。体操のペアになってよ!」
「え…うん、いいよ!」
優衣ちゃんは前と変わらず、可愛く控えめに私に話しかけてきた。
体育祭のあれが嘘のように。
……うん、あれはきっと幻かなにかだったんだと思う。
優衣ちゃんはそんな子じゃないもんね。
「……優衣ちゃん、ごめんね。
あの日叩いたりして。
修学旅行での和泉との会話聞いちゃったの。
だから…ごめんね。」
「……ううん。あれは私が悪かったの。
私ね、舞桜ちゃんのおかげで目が覚めたの。
春翔にひどいことしたのは私だから。
舞桜ちゃんに殴られて当然だったの。
だから…ありがとう。
私、舞桜ちゃんのおかげでまた前が見れるようになったの。
舞桜ちゃんのおかげで、春翔に謝ることもできた。
春翔と…また仲良くなれたの。
本当にありがとう。」
「ううん、いいよ。
……ねぇ、優衣ちゃんと和泉って、あれからどうなったの?」
「私が春翔のことまだ好きだって伝えたよ。」
「……和泉は…?」
「…………悔しいから教えてあげない。」
「え!なにそれ!」
でも、それってもしかして優衣ちゃんと和泉って、復縁はしてないってこと…なのかな?
「舞桜ちゃんこそ、香坂とどうなの?」
「教えてくれないから私も教えてあげなーい。」
「えー、ずるーい。」
「あはは」