君の瞳に映りたくて。
約束の場所で、約束のキスを。
***
「おい、春翔!大丈夫か!?」
声がした瞬間、二人して振り返れば和泉が河川敷からこちらへ転がり落ちてるところで、私たちは急いで和泉に駆け寄った。
目の前には倒れて目を覚まさない和泉と、そんな和泉をすごく心配そうに揺する祥也と…
「い、ずみ…?」
なぜか宙に浮いている和泉。
「なーにしてんだよ、舞桜。」
え…今、舞桜って…なんで…
「返事、聞かせてくれるんじゃなかったのかよ。」
「え…?
……もしかして和泉…」
「ごめんな、今まで思い出せなくて。
でも俺、全部思い出したから。」
「…ふっ……い、ずみ…」
和泉の変わらない笑顔を見て、私の目から自然に涙が溢れてきた。
「……祥也…」
「……泣くなよ、春翔なら大丈夫だ。」
「ちが…ちがうの…
和泉、そこに…」
「……は?」
「和泉がまた…」
「……うそ、だろ?」
また、幽体になってるよ……
「で、でも今度は記憶あるみたい…」
私がそういうと、和泉は笑って私に近づいてきた。
「俺が体に戻ったら、今度こそ返事、聞かせてくれるよな?」
「え…」
和泉はそういうと、目の前から消えた。
それは本当に一瞬の出来事で……
「っ、春翔!?おい、春翔!」
和泉はすぐに目を覚ました。