君の瞳に映りたくて。
とりあえず私は陸部の部室に香坂を招き入れた。
「へぇー、さすが強豪陸上部の部室だな。
綺麗だし広い。
弱小サッカー部とは全然ちげーのな。」
「綺麗なのは掃除してるからだけどね。」
「で、話ってなに?
俺これからちょっと行くとこあるんだよね。」
「あの…じゃあ手短に言うけどさ
………和泉が今入院してる病院ってわかる?」
「は?わかるけど…なんで春翔が入院してることを宮下が知ってんの?」
おぉ!私の名前知ってくれてる!
………じゃなくて…
「そういう細かいことは気にしないでよ。」
「はぁ?」
「お願い!どうしても行きたいの!」
もうこうなったら懇願するしかないよ!
理由話したって絶対信じてもらえないもん。
むしろ変な目で見られるだけだと思うから。
「………今から春翔んとこ行こうとしてたとこ。
宮下も一緒にいくか?」
「あ、ありがとう!!」
「でもちょっと遠いぞ?
お前チャリあんのかよ。」
「タクシーでいけば良いよ。
私お金出すから。」
「…わかった。
とりあえずそこのファミレスで飯食わねー?
俺腹へったし、面会時間には少し早いから。」
「あぁ、うん。私もお腹すいた~。」
よかった。
香坂が思ったより普通で。