君の瞳に映りたくて。



「……私は覚えてないんだけど…それでも頭の中は和泉との思い出でいっぱいなのかもしれないね。」


「少なくとも俺はずーっと舞桜のこと見てたから、ずーっと舞桜で頭の中いっぱいだけどな」


「優衣ちゃんと付き合ってたくせに。」


「優衣と付き合ってた頃も、舞桜のことは見てたっつーの。」


「……それは複雑。
嬉しいような…うーん…
私は入学式のあの時からずっと和泉のことが好きだったけどね。」


「祥也と付き合ってたじゃん。」


「だって和泉が振るんだもん。」


「……俺、あの頃舞桜のこと好きだって気づけなかったんだよ。
舞桜には優衣の好きとは全然違う気持ちだったから。
俺は舞桜のことがずーっと好きだったんだって気づいたときにはもう振ったあとで、それを言おうとしたら舞桜は祥也の彼女になってて
まじであのときが人生で一番辛かったわ。
俺はずっと好きなのに、なんで祥也なんだよって。
だから邪魔できるところは全部邪魔してやったのに。」


「え、じゃああの日の電話もわざと…?」


「窓から見てた。
……二人ってさ、何回キスした?」


「え、あの時の2回だけだけど…」


「じゃあ俺もあと2回」


「え!?ちょ、ここで!?」


「俺は別に見られても良いし」


私は良くないってば!!


「ちょ……んっ」


1回目は長めに、2回目は軽く短く触れただけのキスをして、和泉は笑顔で離れた。


「ま、これで祥也に勝ったからいいや。」


「……なにそれ。
でも私とキスした数より、優衣ちゃんとした数のが多いじゃん。」


「なら、もっとする?」


「いや!今は良いです!」


「なら俺んち行こ。」


「え、和泉んち?」


「クリスマスじゃん、泊まってけばー?」


「えぇ!いや、早いっていうか…」


「今さら照れんなって。
昔は風呂も一緒に入った仲じゃん。」


「えぇ!?」


「行こ。」



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