君の瞳に映りたくて。
「そこらへん座っててね~」
和泉の部屋に来た私は、とりあえず机のところへ座った。
ちゃんと片付けられている…というわけではないけど、汚さは感じられない部屋。
汚いというよりは片付けかたが雑なのか…男の子の部屋って感じで和泉らしくて好きかもしれない。
祥也の部屋は非の打ち所がないくらい、すごく綺麗だったから。
どこも触っちゃいけないような………
「あ、あったあった。はい、これ。」
「なにこれ、アルバム?」
「そ。見てみてよ。」
和泉は私の横に座り、私の横でアルバムがめくられるのを一緒に見ていた。
「あ………」
これ、私だ。
「これが俺。」
「うわー…懐かしい…」
そこには私がずっと女の子だと思っていた、目がくりくりな子供と、その横で笑う私。
「こうやってみると、舞桜って本当に変わったよなー。」
「いい意味で?」
「当たり前じゃん!」
「………でも、和泉も変わったよ~。
これとかめっちゃ女の子だもん。」
「うるせ。
母さんの趣味なんだよ。」
「それが今じゃこんな男らしくなって…」
「悪いのかよ」
「全然!」
アルバムの中には私と和泉の写真ばかりで、場所は決まってあの公園。
私たち、いつもあそこで遊んでたもんね。