君の瞳に映りたくて。
「ってかさ、2月にマラソン大会あるじゃん?
舞桜は新記録作れよな!!」
「あー、それ私出れないんだよね。」
「は!?なんで!?」
「内緒。」
「え!!」
どうせ私はその頃日本にいない。
たとえアメリカに戻る話がなかったとしても、私は強化合宿に参加して、学校を離れてるだろうから。
「ま、いいじゃん。」
「祥也は?その理由知ってる?」
「あー…まぁ知ってるけど…」
「なら俺にも言えるじゃん!!
なんで祥也ばっか!
今の彼氏は俺じゃん!」
「…わかったから。落ち着いて。
別にたいした理由じゃないよ。
用事があって、その日北高に行けないの。」
「それだけ?」
「うん、それだけ。
だから別に特別いうことでもないかなって。」
「ちなみにその用事ってなんなの?」
「………実は…」
「うん」
「陸上国際大会の強化選手に選ばれたの!
だから強化合宿日程にがっつりかぶってて。」
「えぇ!?まじで!?」
「うん!今日先生から聞いたの。」
「そっかぁ。やっぱ舞桜はすげーな。
俺も負けてられねーなー。」
ごめんね、嘘ついて。
だけど今言ったら、和泉は絶対悲しい顔するから。
そんな顔は見たくないから。