君の瞳に映りたくて。
翌日ー
「で、お泊まりしたのになにもできず、なにも言えずだった、と。」
「はい、そういうことです。」
「情けなっ」
あれから私たちはただただ話して、別々の部屋で寝て、一緒に部活に来ただけ。
キスすらしていない。
「優衣ちゃんと付き合ってるときはあんなべったりだったのに、私にはそんなことしないんだよね。
さっぱりしてて…あんまり変化ないんだよね。」
「まぁいいんじゃない?
またあんなの毎日見せつけられたらこっちの気分が悪くなる。」
「まぁ私も人前でキスとか出来ないけどさ。」
私と美乃里は準備体操をしながら、そんな話をしていた。
優衣ちゃんにはまだ交際報告できていない。
反応が怖くて……
「でも、今は優衣と仲良さそうに話してるけど。
あんたら本当に付き合ったの?」
「うーん、夢だったのかも。」
「夢だったら俺と別れたのも夢だったのか?」
「あれ、祥也どうしたの?」
「別に。話聞こえたから来ただけ。」
「はは、そっか。」
よかった、祥也も普通で…
気まずくなるのは絶対に嫌だったから。
「もう一回聞くけど、舞桜って嫉妬とかしねーの?」
「んー、なんでかなー。しないんだよね。
前は優衣ちゃんにしてたのに、付き合った途端…こんなもんなのかな?」
「ふーん、そうなんだ。」