君の瞳に映りたくて。



「「ごちそうさま!」」


無事美味しくできたケーキは、明日杉山さんにもあげるように一切れだけ残し、みんなで食べきった。


「あ、そうだ。
ちょっと待ってて。」


私はお皿はそのままにして、部屋へと走った。
こういうとき、この広い家は本当に無駄。


「はぁ、これこれ。」


私は1つの紙袋を手にして、またリビングに戻った。


「ごめん!お待たせ!」


「全然待ってないよ。」


「部屋に行ったにしては帰り速いじゃん。」


「だって急いだんだもん。」


私はまた和泉の横に座って、紙袋を広げた。


「えっとねー、はいこれ!
美乃里に!」


「え、なにこれ」


「なにってクリスマスプレゼントじゃん。」


「え、そうなの?
なんだー、言ってくれれば私も用意したのにー。」


「いいのいいの。
私があげたかっただけだしね。

ちなみに和泉にもあるよー」


「え、まじで!?」


「っていっても制服のネクタイだけど」


「えぇー!」


「和泉、この前破れたとか言ってたし。
新学期からはそれ巻いてってね。」


私は笑いながらネクタイを首にかけた。


「…ま、いっか。
毎日使うものだし。」


「そうそう。」


「舞桜らしいわ。」


「……それはなんだかちょっと喜べないけど」


「喜ぶとこじゃないからな。」


「もー、なにそれー。」


「俺にはねーの?」


「祥也には昨日あげたでしょ。」


「そーだそーだ!
俺なんてネクタイなんだぞ!」


「いや、和泉
気にするとこそこじゃないと思うけど」


美乃里が真顔でそんなこと言うなら、なんかもうおかしくて私は笑ってしまった。

みんなといるのが楽しくて、やっぱりこの4人でいるのが好きで………


離れたくなくなる。



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