君の瞳に映りたくて。
私は部屋を出て、リビングのドアを開けた。
「あれ、祥也じゃん。
どうしたの?」
ソファに座る祥也の前のソファに私も腰を下ろしたら、
「お前さ、春翔にまだ言ってねーの?」
「あー、うん。」
「言わないつもりか?」
「………うん。」
「本当にいいのか?それで。
春翔絶対キレると思うけど」
「うん、いいよ。
それで嫌われたって別にいいと思ってる。」
「なんで…」
「だってね、私のお父さんは私の結婚相手に、自分の仕事継がせたいんだよ?
それなのに、夢のある和泉と交際続けるなんてできないよ。」
「………だから、俺とも期限付きだったのか?」
「うん、そう。
まだ高校生なのに、親の期待背負わせることなんてできないよ。
だから、和泉には嫌われたって別にいいと思ってる。」
「じゃあ、嫌わなかったらどうするんだよ。
あいつがずっと待ってたらどうするんだよ。」
「どうしようか」
「なんだよ、無計画かよ。」
「もし和泉がそこまで本気なら、手段は他にもあるから。」
「手段?」
「………うん。」