君の瞳に映りたくて。



と、いうことで戻ってきました、和泉家。


「もう、急にどうしたの?」


「なんか、舞桜を独占したくなった。」


「………はは、なにそれ。
和泉ってさ、優衣ちゃんと付き合ってるときから思ってたけど彼女にベタ惚れになるんだね。」


「…いいじゃん。
舞桜は冷めすぎ!」


「そう?
内心はそうでもないんだけどなー」


「俺といるときいつもなに考えてんの?」


「今日もかっこいいなー、とか。
和泉と仲良くなる前はさ、和泉がいるだけで内心バクバクしてて、和泉と同じクラスになったときは発狂したし、夏休みのあのとき、和泉がうちの前にいるのを遠くから見たときも静止したもん。
なんで!?ってなってた。
あの頃はさ、和泉がずーっと一緒にいてくれたから、本当に嬉しくて心強くて、全然寂しくなくて
和泉が体に戻るのがちょっと寂しくなったくらい。」


「……俺もさー、あの時舞桜のそばにいたくて、離れなくなかったんだよー。
なのに強制終了みたいな終わり方しちゃってさ。

俺舞桜にコクっときながら、すっかり忘れて優衣の彼氏やってて、めっちゃ最低なやつだったよな。」


「あーもうあの時は悲しくて悲しくて…」


「だから今その時の時間を取り戻しとく!」


和泉はそういって私を抱き締めた。
………かと思えば私の背中をまた指先でつーっと撫でた。


「ちょ、和泉!」


「春翔って呼べよ。」


「…春翔。」


「ん。」


春翔は付き合ってからずーっと甘い。
全身から私のことが好きだと伝わってくる。

それが心地よくて、時間を忘れてしまいそう


「舞桜…」


「んっ…」


私の唇に落とされるキスも、とっても甘くて、その甘さに酔ってしまいそうなくらい…


「春翔、好きだよ。」


「俺も。」



< 430 / 500 >

この作品をシェア

pagetop