君の瞳に映りたくて。
で、とりあえず部屋に来たけど…
「なに、二人めっちゃ暗くね?
なんかあったの?
二人喧嘩したとか?」
「なんで私たちが喧嘩しなきゃいけないの」
そう答える榑林にはいつもの覇気はまったく感じられなくて、目線も常に下。
「………ほんと、なにがあった?
祥也も。めっちゃ暗いじゃん。」
俺がそういうと祥也は顔を歪めたかと思ったら、急に立ちたがって俺の腕を掴んだ。
「え、なんだよ」
「今すぐ駅に行け。今から走ればまだ間に合うかもしれねーから。」
「は?」
「いいから!早くしねーと間に合わなくなる!」
こんな必死な祥也は見たことなくて、俺は固まってしまった。
「…なに、どういうこと?」
「舞桜がアメリカに帰る。」
「え?」
「もう家を出た。
早くいかねーと間に合わなくなる」
「…まじ、かよ」
「だから早くしろよ!
お前の足ならまだ追い付く!だから…」
俺は祥也の言葉を最後まで聞かずに家を飛び出した。
考えてる暇なんかなくて、体が勝手に動き出してた。