君の瞳に映りたくて。
で、タクシー乗り込んだんだけど…
なぜか和泉は私と香坂の間に座っている。
前に座れば良いのに…っていうか飛んでくれば良いのに。
まぁ感覚ないから狭くはないんだけど…近い。
もうほんと心臓うるさいんだけど。
「宮下なんでそんな隅に座ってんの?」
「や、なんでもないです…」
香坂が嫌な訳じゃない。
和泉が近すぎる。しかもこっち見て笑ってる。
なんなの、この人は……。
「でも、病院行っても春翔意識戻ってねーと思うけどな。」
そりゃそうでしょう。
魂はここにいますから。
でもこのままじゃ和泉は迷子のままだから。
帰るべきところは教えてあげないと。
「和泉の姿が見られればそれで良いの。」
「ふーん。」
……絶対変な風に思われるよなぁ。
和泉に惚れてると思われても仕方ないか……
な、なにか話を……
「あ、えと…
香坂って彼女いるの?」
……なんか変な質問だけどとりあえず…
「俺?いねーよ。」
「へー、じゃあ私と一緒だね~。
私もいないんだよね。」
「だろうな。」
だ、だろうなって…
「彼氏できなさそうってことでしょうか…」
「っていうか男と話さないだろ。
部活ばっかなやつで。」
あぁ、そういうことか。
ならよかった。
「まぁ今は部活一番なのかも。」
和泉のことは好きだけどさ。