君の瞳に映りたくて。



「それが終わるまで日本には戻らない。
それが、俺と舞桜が交わした約束だ。
そうだな?舞桜。」


「…うん。
ごめん、春翔。
私どうしてもやらなきゃ「夢より大事なことなのか?」


「うん。
私は逃げてばかりはいられないの。
ごめん。」


「…じゃあ俺は?
俺に言わずにアメリカ戻って、俺はどうすればよかったんだよ。
ずっと待ってればいいのか?
舞桜はどうするつもりだったんだよ。」


「………嫌われればいいと思ってた。
それで、自然消滅。」


「ふざけんなよ。
舞桜にとって、俺はそんなもんだったってことかよ。」


「ごめん」


「…本当に終わるのかよ」


「たった7日間だけだったけど、楽しかったよ。
ありがとね。

………じゃあもう時間だから。
バイバイ。」


私は、私の手を掴んでた春翔の手を反対の手で剥がして、改札へと歩き始めた。

途中お父さんから切符を受け取り、私はそのまま改札を通ってホームへ降りた。


「ごめんね…」


私は一人、しゃがみこんで泣いた。
ずっと我慢してきた涙が、ここで溢れてしまった。


「舞桜…よかったの?」


「……春翔には、大事な夢があるから。
だから…縛り付けておくことなんて、できない。」


だから、これでよかったんだ。
私はリアンみたいな人と大人しく結婚すればいい。

たとえ陸上選手になれなくてもこれが私の人生だから。
私の人生、幸せだと思える日がいつかくることを願って………



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