君の瞳に映りたくて。



「………く、そ!」


なんなんだよ。
結局俺はどうすればいいんだよ。

俺はあいつのことを忘れるしかねーのかよ。
最初からわかってたことなら、こんなに惚れさせんなよ…


俺本当にどうすりゃいいんだよ……


……そもそも、あいつ当分日本には戻っては来ねーってことだよな。
つーか、戻ってくるかも微妙だよな。

榑林のあの落ち込み具合からして………


離れてれば、自然と忘れられるのかな、俺も。


「…忘れるか」


俺は、部屋に飾っていた舞桜との写真と、子供のころ舞桜と撮った写真、それから舞桜からもらったねこのぬいぐるみと、修学旅行で交換購入した帽子、クリスマスにもらったネクタイ

とにかく思い出たちをクローゼットの隅へ移した。


「さよなら、だな」


もし舞桜が俺のことで悩んでいたとしたら、俺はあいつの気持ちを受け入れるしかない。
こんなに苦しいのは俺だけじゃないなら………


俺は、もう夢に向かって走るしかない。



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