君の瞳に映りたくて。



それから数日がたち、部活が始まるも当然のことながら陸上部に舞桜の姿はない。

夜、舞桜んちを見ても舞桜んちが明るいこともない。


まだまだ舞桜を忘れることはできない。
だけど…少しずつ、な。


「春翔~、遅刻するよー」


「もう出る!」


そして今日から新学期。
俺は、またボロボロのネクタイを緩くしめて学校へ向かった。


始業式だから朝練はなし。
陸上部は朝練やってんのかな。


「よう、歩きかよ。」


「あぁ、祥也。
なんか歩きたい気分だったから。」


「それはいいけど歩きだと遅刻じゃね?」


「別に。いいんじゃね。」


「始業式遅刻すると部活参加権なくなるらしいけど。」


「うえ!まじかよ!
ちょい途中まで乗せてけよ!」


「…単純なやつだな」


俺は祥也の後ろに乗って、学校まで急いだ。



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