君の瞳に映りたくて。



それから舞桜は俺と目を合わせることなく、半日が終わった。


「宮下は話あるから職員室によるように。
以上、学級委員~」


「起立、礼~」


…………舞桜は職員室か。
部活もねーし、校門で待ってるかな。


「春翔、飯行かねー?」


「行かねー。
舞桜と話してくる。」


「今更話してどうするんだよ。
あいつはお前のために身を引いたっつったろ。」


「それでも、今のままでいいなんて思ってねーから。
フラれるならフラれるできっちりフラれてくるんだよ。」


俺はそういって、校門に向かって一人で立っていた。


…………にしても、おっせーな。
まだかよ。もう周り誰もいねーし。


あ、まだ女の子達がいたんだ。
1年生か。ずいぶんゆっくりだな。

腹減ったー…


舞桜まだかよ…


「あ、あの!」


「…………俺?」


「はい!和泉先輩にお話が…」


おぉ、まじか。まぁいいや。暇だし。


「なに?」


「えと、その………」


…………あ、舞桜来た。


「す、好きなんです…その好きな人いなかったら…」


「ごめん、好きな人いるんだ。
もういいかな?」


俺はその子から離れて、見守ってた子達も通りすぎて、舞桜のもとへも向かった。


「待ってた。」


「春翔…なに?」


「納得いかねーんだけど。
こんなすぐ戻ってくるなら、どうして振ったんだよ。
冷めたなら冷めたって言ってくれなきゃわかんねーよ。」


「………本当はね、こんな早く帰って来れなかったの。
向こうの高校卒業しろって言われてたから。」


「じゃあなんで?」


「私がアメリカに行く前、先生がアメリカの親のところへ電話したみたいで。
私が強化合宿に誘われてるって。
それで先生も親に色々話してくれたみたいで。
それで…年末に帰るときに、春翔が親に頭下げてくれたでしょ。
あれでお父さんの心が動いたって言う感じで…」


「え、俺のおかげだったりする?」


「まぁ…だからありがと。」


…………って、全然答えになってなくねーか?



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