君の瞳に映りたくて。
「…あのさ、私のこと怒ってたんじゃないの?」
「怒ってるわ!どんだけ一方的なんだよ。
………でも、怒ってたって修復なんてできないだろ。
俺は諦められないから。
舞桜が俺のことが嫌いだとか、もう冷めてるなら身を引くけど、俺はたぶん舞桜のことがずっと好きだと思うから。」
自信がある。
なんでかはわからないけど、特別舞桜に惹かれるものがあるから。
「………じゃあ、嫌になったら言ってね。」
「は?え、どういう意味?
それって前のポストに格上げ?」
「絶対後悔すると思うけど、それでもいいなら…いいよ。」
「まじで!?え、俺の彼女になるってこと?」
「うん。
でも嫌になったら早めに言ってね。」
「まじか…やった…
やったね!!」
嬉しくて嬉しくてにやける俺。
それに対して、やっぱり舞桜の顔はまだ暗い。
…………そういや、前に祥也が言ってたな。
舞桜の父親は、舞桜の結婚相手に会社を継がせる、って…
でも…現実問題、俺はバカでそんなこと到底無理で…
もしかしておじさんに俺との付き合い反対されてんのかな…
つーか、そんなん継いでたらサッカーしてる暇なんかない、よな…
だから舞桜はこんなに暗いのかな。
………今更だけど、やっと祥也の言ったことを理解したかも。
舞桜を悩ませんのは嫌だ。
「…………舞桜は、俺と付き合っていたい?」
「春翔がいいならね。」
「俺のこと好き?」
「うん、好き。
春翔がまだ好きでいてくれて、こうやって待っててくれてすごく嬉しい。」
………なら、もっと笑えよ。
「…だからさ、これからうちに来ない?」
「え?舞桜んち?全然いいけど。」
「じゃあいこ。」
俺は、久しぶりに舞桜と手を繋いだ。
手を繋いで、またあの河川敷を歩く。