君の瞳に映りたくて。



このまま帰すわけにはいかなくて、俺は咄嗟に舞桜の腕を掴んだ。


「ごめんって。もう言わないから。」


「……言わなければ済む話なの?
1年以上付き合ってて、ケンカもなくて仲良くて毎日ラブラブだったの、私だって知ってる。
だから忘れられないんじゃないの?」


「だから違くて…なんつーか…」


「……祥也はそんな風に元カノの名前だしたりしなかったのに。」


…なんでこのタイミングで祥也なんだよ。
俺への仕返しか?俺が嫉妬深いの知っててわざとか?


「祥也とはケンカすらしたことなかったのに」


「……怒ってんのはそっちじゃん。
舞桜が怒んなければケンカになんかならないだろ」


「じゃあ私が悪いの?
もとはといえば春翔が優衣ちゃんの名前だすからじゃん。」


「そんなことで怒んなっつーの。
だいたい舞桜だって祥也の名前だしてんじゃん。」


「……わかったよ。
どうせ私が悪かったです!

もういい。」


結局俺は、舞桜の話を聞くこともできずに腕を離してしまった。


「……なにやってんだよ、俺は…」


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