君の瞳に映りたくて。


翌日ー


学校へつくと、校庭では舞桜がすでにもう走っていた。


「はよ。」


「あぁ、祥也。おはよう。」


「昨日どうだった?話したんだろ?」


「絶賛ケンカ中。」


「はぁ?なんで?」


「結局、俺らまた付き合うことになって、舞桜の両親も日本にいたから会って、まぁ付き合うことには承諾してもらって、会社継ぐとか夢諦めるとかそういう話もなくなった。

だけど、そのあと二人になったときに俺が優衣の名前出しちゃって。
それでケンカ。」


「そんなことで怒るか?あいつが。」


「俺が抱き締めたら舞桜がいやがったから、優衣は好きだったのにって言っちゃって。」


「は?バカじゃねーの?」


「で、舞桜が祥也とはケンカなんかしなかったとか、祥也の名前出しはじめてムカついて、俺もキレた。」


「あっそ。くだらな。」


「くだらなくねーよ!
舞桜のやつ、祥也と付き合ってるときは自分から手握ったりキスしたりしてたくせに」


「見てたのかよ」


「俺にはなんにもしてこねーし。
あー、思い出すだけで腹立つ。
祥也はよくて、なんで俺はダメなんだよ」


「それを俺に言うなよ。」


キスするときも俺から。
好きって言うのも俺ばっかで、抱きついたり手握ったりするのもいっうも俺からじゃん。
コクったのも俺からだし…
嫉妬するのだっていっつも俺で……

祥也から奪ったから、本当はまだどこかで祥也のこと好きだったりして……


「あー!くそ!!」


「どうしたの?機嫌悪いなんて珍しいじゃん。」


「……優衣。
優衣こそ珍しいじゃん。朝練参加なんて。」


「だって、舞桜ちゃんが来なさいって言うから。」


「優衣は速いんだから、練習ちゃんとやりゃもっと速くなるしな。
頑張れよ。」


「うん!じゃ、行くね。」


……優衣とはケンカとかしなかったのにな…


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