君の瞳に映りたくて。
モテる男子が彼氏だと大変です。
***
朝練中、仲良く優衣ちゃんと話す春翔を見て、ムカついて、私もすかさず祥也に話しかけた。
春翔が嫉妬するってわかってて…なんて、本当に性格悪いと思うけどさ。
やられっぱなしなんてやだもん。
「ってかケンカしたんだって?」
「あー、うん。聞いた?」
「聞いた。
まぁあいつが悪いと思うけどな、俺も。」
「でしょ!?」
「だからって仕返しすんのもどうかと思うけど。
あいつがすぐ妬くの知ってるだろ」
「だってムカつくんだもん。」
「俺が思うに、元カノにしたからきっと舞桜にも喜んでもらえると思ってやったのに、うまくいかないもんだな、みたいに考えて言ったんだと思うけど。
結局はお前のためを思ってやったのに、変な部分だけ口に出たって感じじゃね?
春翔はもう竹下のこと好きじゃねーんだから、許してやれ。」
「…そんな簡単に気持ちは切り替わんないよ!」
「じゃあいいこと教えてやるけどな、
あいつのスマホの待ち受け、修学旅行のときの舞桜との写メ。
スマホカバーには舞桜とのプリクラが貼ってあって、舞桜と付き合ってからは常に誰かにのろけてる。」
「え、そうなの?」
「俺的に、あいつは竹下のときより舞桜にハマってるよ。」
「……そっか。」
「あいつ、竹下んときみたいに人前でベタベタしなくなったろ。
たぶんそのくらい本気なんだと俺は思う。
あいつ言ってたし。可愛い顔を他のやつに見せたくないって。」
「なにそれ。」
「気持ち悪いだろ。でもたぶん本音。
他のやつが舞桜に惚れてほしくないからとかさ。
聞いてるこっちがイライラする。
だから自信持てよ。」
「……うん。」
そっか、春翔は春翔なりにいっぱい好きでいてくれてるんだもんね。
…謝ってきたら、次は許してあげよう。