君の瞳に映りたくて。



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「先生、気持ち悪いから休んでもいい?」


「あら、どうしたのー?」


私は食欲が一気になくなり、そのまま引き返して保健室へと逃げてきた。

今は、春翔と顔を合わせられないから。


「お弁当、腐ってたのかも。
日の当たるところにずーっと起きっぱなしにしてたから。」


「ま、宮下さんがそんなに元気ないのも珍しいし?
なんだか顔色が本当に悪いから、休んでいいよ。」


「ありがとー」


私は、そのままベッドへダイブした。



……これ、どうなってるんだろう…
本当にキスしてるよね…

………しかもこれ、今日の日付じゃん。
春翔のやつ…サボってこんなことしてたのか。


祥也の話を聞いて、信じてみようとしたのに結局これじゃ…

もう、無理だよ……



「せんせー、ベッド借りるよー」


……え。


「和泉くんまたー?」


「今日は本当に体調悪いの!」


ちょ、春翔…?隣のベッド来るってこと?



私は逃げ出すために、ベッドから体を起こし、立ち上がったところで目の前のカーテンが開けられた。


「…舞桜。ちょうどよかった。探してたんだ。」


「………なんで?」


「昨日のこと謝りたくて」


「……それだけ?」


「え?」


「………もう、いいよ。」


「おい、舞桜!」


私は、春翔の横を通りすぎ、保健室を出た。
後ろから春翔が追ってくるから、全速力で走って。


「待てって!」


私は、急いで上靴を脱ぎ、靴箱に入れて外靴を履き、部室まで走った。
今この人から逃げられるのはそこしかないから。


だけど、部室の鍵を開けてる間に


「待てよ…意味わかんねーよ…」


春翔に追い付かれてしまった。


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