君の瞳に映りたくて。



放課後ー


私は誰もいない部室で着替え、まだ誰もいないグラウンドへ出た。

しっかり準備体操をして、ストップウォッチを握りしめ、トラックに立った。


くよくよしてるのなんて私らしくない。
こういうときは走って気分転換。
ってことでとりあえず1000を走ることにした。


走ってるときはやっぱり気持ちよくて、嫌なことも忘れられる。
少し前までならタイムに影響も出たけど…今の私なら大丈夫、なはず…







「ふぅー…」


……まぁタイムは変動なし、か。
ま、準備体操として走っただけだしいっか。


「随分はやいな?宮下。」


走り終わると、顧問かつ担任の金城先生が怖い笑顔でこちらに来た。


「え、タイム的には変わんないけどねー」


「そういう意味じゃない!サボったろ!」


「体調悪かったから休んでただけだもん。
部活のためにコンディション整えてたの!」


「それでなんで部室の鍵が必要なんだよ。
昼休みに。」


「だって人がいないところがよかったんだもん。
部室は畳だし。」


「関係あるか!
次サボったら草むしりだからな。」


「えー」


「まぁいいや。
ダッシュやるぞ。」


「はーい。」



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