君の瞳に映りたくて。
それからみんなの準備体操が終わるまで、私はダッシュの練習をし、タイムを計ったりしていた。
「よし、とりあえず宮下ちょい休憩な。」
30分くらいだけど、先生にずっと鍛えられていると30分でも結構くたくたになる。
「あー、私カバン教室だった…」
取りに行くのめんどくさ…
美乃里とか持ってきてくれればいいのに……
飲み物さえない私は、とりあえず教室へ行くことにした。
この時間の校舎は人がかなりまばらで、遠くの方で吹奏楽部の音が聞こえる。
静かで、ひんやりとした校舎が少し好きだ。
「━━━━君でしょ?これ」
ん?
今の声……うちのクラスから…?
まだ誰かいるのかな。
私は教室まで行って中を覗くと、中には春翔と、春翔とキスしてた陸部の後輩がいた。
「……なんのことですか?」
「いやいや、とぼけないでよ。
こんなうまく撮れちゃってさ。
あの転んだのだって、どうせわざとなんでしょ?
しかもこの写真舞桜に渡すとか、君ってどんだけ性格悪いの?」
……転んだ?わざと?
どういうこと…?
「だから知りませんってば。
私じゃないですよ。」
「じゃあ誰?
知ってるんでしょ?誰?」
「知りません!!」
「…じゃあ誰がこんな上手く撮れるって言うんだよ!
あそこで偶然ぶつかっただけなのに、なんでこんな写真が撮れるんだよ!」
「……春翔、やめなよ。」
私は聞いてることができなくて、教室へ入った。