君の瞳に映りたくて。



「うるせ…なんだよ。病院で騒ぐなよ。」


香坂は完全にうざそうな表情。


「ご、ごめん…」


だっていきなり床から和泉が頭を出すんだもん。
びっくりしたよ、本当に。
床もすり抜けるなんて、頭になかったよ…


「くくく…」


……和泉なんて笑い我慢してるし。
バレバレだっつーの!ばーか!


「やっぱまだ目覚まさねーな。」


香坂がすごく悲しそうにそう言ったから、和泉も笑うことをやめた。
やっぱりこの二人は友達なんだなって……


「早く目覚まさないとサッカーもできねーのにな。」


香坂がそういうと和泉は消えた。
どこに行ったのかもわからないけど、きっとここにはいられなかったんだと思う。


「……香坂は和泉のことが大好きなんだね」


「キモいこと言ってんなよ。」


「照れなくても良いのに。和泉は幸福者だ。
友達にも彼女にも愛されてて。」


「……こいつは俺らを大事にしてくれるからな。
俺は中学の頃から春翔といるけど、こいつはほんと人が良いから。」


「やっぱり人気者は性格が良いんだね~
納得納得。」


「宮下も友達いっぱいいんじゃん。
クラスのムードメーカーになってるの思うけど。

一昨日も完全に笑わせてたし。」


「笑われてただけです!」


……って、あれ?気づいてたの?
香坂と和泉はずっと話してたと思ってたのに……


「そろそろ帰るか。」


「うん。」


……って、和泉はどこ行ったんだ?




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