君の瞳に映りたくて。
そして私たちは、部室に向けて足を進めた。
「……ねぇ、春翔。
今日うちへ泊まりに来ない?」
「え、行く!行く!絶対行く!」
「よかった。
じゃあ夜にいろいろ話すね。」
「おう。」
「それよりさ、なんでネクタイボロボロなの?
新しいのあげたよね?」
「いや…だって一昨日は別れてたし、昨日はケンカで…」
「へー、そうなんだ。」
「明日からはつけてくるから!!」
「ふふ、はいはい。わかったよ。」
「ねー、舞桜は俺のどこが好き?」
「だから、サッカーが好きで誰よりも頑張ってるとこ。
諦めることを知らないとこ。
背の高いとこも好きだし、ふわふわな髪の毛も
整った顔に大きな瞳も、笑ったときの口も、足が速いとこも。
全部好き。」
「……舞桜ってさ、そういうのさらっと答えるよね。」
「だって伝えられるときに伝えなきゃ。
明日が来る確約なんてどこにもないんだし。」
「そうなんだけどさ。
照れたりしないの?」
「内心はめっちゃ恥ずかしいよ!
でも伝えたいことは伝えたいもん。」
「俺はそういう舞桜が大好きだよ。」
「春翔も少しは照れてよ。」