君の瞳に映りたくて。



それから私たちはそれぞれ部活に行った。
相川さんは姿を見せることはなかったけど…。


「お疲れさまでしたー。」


「お疲れー。」


陸部は終わった、けど…
今日は珍しくサッカー部の方が遅い。


「舞桜、どうしたの?」


「ん?
今日春翔がうちに来るんだけど、どうするのかなーとおもって。
美乃里まだいるでしょ?」


「まぁそりゃね。マネージャーですから。
鍵返しに行ったりもしなきゃだし。」


「ちょっとサッカー部のとこ行ってくる。
まだかかりそうなら一緒に帰ろ!」


「うん、いいけど」


「ありがと!」


私はそういって、サッカー部のところへ走った。
この広いグラウンドは練習の時はいいけど、こういうときは不便。


あー、えっと…サッカー部のマネージャーは…
……あ、そうだ!


「深田さん!」


同じ学年で、去年同じクラスだったにも関わらず、思い出すのに時間かかりすぎな私。
この記憶力の悪さはどうにかならないものかな。


「…宮下さん?どうしたの?」


「サッカー部って今日は遅くなる?」


「うん、そうだね。
試合も近いから今日はまだかな。」


「んー、そうなんだ。」


じゃあ春翔にメールしとこっかな。


「それがなにか?」


「あー、ううん。
春翔と約束があったから、ちょっとね。
でもメールしとくから大丈夫。
邪魔してごめんね。それじゃあ」


「宮下さん!」


「……なに?」


「こんなこと言いたくないんだけど、今サッカー部調子いいの。
だからあんまり邪魔しないでほしいの。」


「……邪魔してるつもりなんてないんだけど」


「だけど、春翔今日、部活に遅刻してきたの。
宮下さんと一緒に来たでしょ?
宮下さんが原因じゃないの?」


「それは…そう、だけど…」


「それに、冬休み前は祥也と付き合ってたじゃない?
あんまり心を乱さないでほしいの。」


「そんなつもりはないよ」


「あなたにそんなつもりがなくても、関係なくはない。
2年にとっては、あと1年しかない。
だから、あんまり振り回さないでくれるかな。
春翔のためにも。」


「……ごめん、帰るね。」


春翔のため、か……



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