君の瞳に映りたくて。
「ただいま。」
「おかえり!舞桜。
どこ行ってたの~?」
「ちょっとね。
……お父さんは?」
「時差ボケ。今は寝てるよ。」
「そっか。
……私ね、リアンにちゃんと話してきたよ。
リアンを好きになることはないって。」
「……舞桜は、ハルちゃんのことが好き?」
「うん。
でも、諦めるよ。」
「どうして?」
「だって、春翔はサッカー選手になりたいんだもん。」
「はは、そうなんだ。
でもね、お父さんもそんな鬼じゃないのよ?
舞桜が本気で恋した相手なら、きっとわかってくれると思う。
お父さんなら必ずね。」
「……そうかな?」
「だってお母さんのお父さんだって、継ぐ気のないやつとは結婚させないって言ってたのよ?
想い合ってるのに結婚させてもらえない辛さは、お父さんも知ってることだから。
あなたたちが本当に本気で恋してるなら、きっとなにも言わないよ。」
「……そっか。」
「お母さんは応援してるからね。
私はもともと舞桜とハルちゃんが結婚してくれればいいなって思ってたから。」
「そうなの?」
「うん。
だからお父さんが反対しても、お母さんが言いくるめるから安心してね!」
「ありがとう。」
「舞桜も少し寝な?
今日の夜は長いんだから。」
「うん。そうする。
……あ、あと将生のところにもいってきたから。」
「え、舞桜一人で?」
「うん。」
「そう…じゃあ後はお父さんだけね。」
「一番の難関だけどね。
それじゃ、ちょっと寝てくる。」