君の瞳に映りたくて。
探しに行くにも香坂もいるし、もしかして家に戻ったのかもだし、どっかいったのかもだし、わからないから私はとりあえず香坂と病室を出た。
「和泉ってどんな人なの?」
「あー?まぁどうでもいいことに集中力が半端なかったり、お調子者の癖に人もよくて、人を疑うこともしないな。
人の悪口も絶対言わないし、いじめとかも嫌う。
勉強ができないけど運動神経は抜群によくて、サッカーも上手い。」
「あ、そういえば中学の頃と和泉といるんでしょ?
サッカーで全国行ったって。」
「え、和泉から聞いたのか?」
「え、あぁ…うん、まぁね。
和泉は忘れちゃったかもしれないけど。」
「………ってことはあいつが言ってたのは…」
…なに?なにが?
"あいつが言ってたの"はいったいなんなの?
そこまでいったなら全部言っちゃってよ。
「……で、それがなに?」
「あぁ、香坂もサッカー上手なんでしょ?
なんで北高来たの?」
「俺と春翔はセットだから。
俺はあいつがいなきゃだめだし、あいつにも俺がいなきゃダメなんだよ。
俺らは二人揃うから点がとれるんだよ。」
「あぁ、ツートップってやつですか。」
「まぁそんなとこだな。
春翔がここにするっつったから俺もここに来ただけ。」
「……ほんとに大好きなんじゃん、和泉のこと。」
「宮下も好きなんだろ?ほんとは。春翔のこと。」
「なっ…!」
「その反応見りゃわかる。
なんで宮下が春翔が入院してるの知ってるのか知らねーけど、そのためにわざわざ俺に話しかけてきて、昼飯もタクシー代も出してくれたんだろ?」
「あぁ、それはちょっと違うっていうか…半分あってて、半分外れてる。」
「あ、やっぱ好きなんだな。
今認めたもんな。」
「あ!!」
うわ、私なに言ってんだ!
ばかじゃん!……ほんと、自分が嫌になる…。
「単純なやつ。」
どうせバカですよ。
笑いたきゃ笑いなさい。