君の瞳に映りたくて。
翌日ー
私たちは朝練のために、早く家を出た。
「舞桜っていつもこんな早いの?」
「うん。早く走りたいもん。」
「へー、やっぱすげーな。
これが毎日だもんなー。」
そんな会話をしながら、朝の河川敷を一緒に歩いて学校へ到着した。
……だけど、サッカー部の朝練はすでに始まっていた。
「春翔!遅いよ!遅刻!」
深田さんがこちらを見てそう叫んでいた。
「あー、そうだった。
今日早い日だったんだー。」
「うそ…ごめん、私が遅くて」
「ううん、俺が忘れてただけだから!
ごめんな、じゃあまたあとで。」
……忘れてたなんて絶対嘘じゃん。
春翔が、部活の時間を間違えるなんてあり得ない。
いつも誰よりも早く来てるの知ってるもん。
部活に遅刻したことなんかないの、知ってるもん。
私と付き合いだしてから……
「宮下さん。」
「深田さん…ごめんなさい、私のせいだ…。」
「自覚はあるんだね。
じゃあ、もう絶対邪魔しないで。
うちは、宮下さんとは違うの。
みんな必死で強くなってきてるの。
本当に春翔を応援してるならさ、もう近づかないでよ。」
深田さんはそういって、部活へと戻っていった。