君の瞳に映りたくて。


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「今日は調子悪いねー」


あれから私も朝練に来たけど、今日は不調の日。
うまく足が動いてくれない。


「集中できないんだよねー…
……長距離走ろっかな。」


「え、今から?もう終わりでいいんじゃない?」


「1,500だけ。3分半で終わらせるから。」


「3分半!?そんなの無理に決まってるでしょ!
時間がないんだから朝は終わり!!
無茶してひざ痛めたらどうするの!」


「…はーい。」


さすがに3分半はないか……
それじゃ私世界一になれるよ。長距離で。

でもすっきりしない。
思いっきり走って、すっきりしたいのに。


「あ、でも今日の体育はたしかマラソンの練習で、3,000走るんじゃなかった?
そこでいいじゃない。」


「あ、そうだね!
早く走りたいなー。」


「今走り終えたばかりでしょ…」


美乃里は完全に呆れてるけど、私はずっと走っていたいくらい。
走るだけで気分が晴れるから。


「あ、そうだ。
日曜日サッカー部試合なんだって。
春翔に見に来てって言われてるんだけど、美乃里一緒に来てくれない?」


「日曜日?午前中だけならいいよ。」


「やったね!ありがと!」


一人で見に来る勇気はなかったんだよね。
よかった。



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