君の瞳に映りたくて。



「で、次は春翔んちだったな。
でも俺チャリ学校だから1回学校戻るけど。」


「うん、いいよ。
それよりタクシー止まってると良いなー。」


「……金あるんだな。」


「お金はね。」


お金の価値が私にはよくわからないけど。
これはとても価値のあるものなんだろうか。

……お父さんがアメリカ進出しなければ、あんな事件に巻き込まれなかったんじゃないかって……そんなことを考えちゃうよ。
お金がなければアメリカなんて行かなくて済んだのにって。


「……なんか変なこと言ったか?俺。」


「あ、ううん。なんでもない。」


「それよりさ、読書感想文やったのかよ。」


……読書感想文。


「あぁぁ!!」


忘れてたよ!本まで借りたのに!
っていうかなんの本借りたのかさえわからない!!


「はは、ほんっと記憶力ねーよな。」


「香坂だって忘れてたじゃん!!」


「忘れてた訳じゃねーよ。
覚えてたけど、やらなかっただけ。」


「もっとたち悪いね。」


「うるせ。」



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