君の瞳に映りたくて。



それから2キロ地点まで動きはなく、トップで私たちは走っていた。


「じゃ、お先に。」


2キロを越えたところで、春翔だけがポッと出たから、私もそれに続いて関口を抜かした。

……だけど、春翔のペースだと必ずバテる私は私のペースに戻し、その後ろに関口がぴったりとくっついていた。


「……春翔より遅いんじゃん」


「………るせぇよ…」


…あれ、こいつ疲れてる?このペースで?
なんだ、余裕じゃん。


それから私はしばらく走り、ゴールが見えた残り300mで一気にペースをあげた。
もう全力ってくらい。

そのタイミングで関口もラストスパートをかけてきて、一瞬抜かされそうになったから、私はもっともっと、限界までペースを上げた。


そして


「…はぁー、気持ちいいー!」


私は関口より先にゴールした。


「ふぅー、最高。こんな本気で走ったの久しぶりだなぁ…」


私は歩きながら空を見上げて、笑っていた。


「まーお。」


「あ、春翔!
やっぱ速いねー。全然追い付けなかったよ。」


「当たり前じゃん。
俺は、舞桜より速くなるためにずっと走ってきたんだから。
負けたら情けないって。」


「それでも悔しい!
私ももっと速くならないと!」


「いや、男相手なんだから競わなくていいって。
それより、水飲んでいたら?」


「うん、そうする。」


今走り終わったばかりだけど、私は走って水飲み場へむかった。

走り終わるとすっごい喉乾くしね。



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