君の瞳に映りたくて。



「なんなの、この異色感…
なんで関口までここにいるわけ?」


そこに、美乃里が戻ってきた。


「美乃里~、遅いよー。」


「ごめんごめん。
で、なんで関口までいんの?」


「俺も宮下の友達になったの。」


「は?ほんとに?」


「私は嫌いなんだけどね。」


「さっきは好きって言ってたじゃん。」


「もう面倒だからいいかなって。」


「どんだけ俺のこと雑に扱うんだよ!」


なんか…関口ってこんなんだったの?
まぁ普段もムードメーカーとして盛り上げてるけどさ。
苦手と言えば苦手だった。
派手だし、ヤンキーだし。偏見で。

でも、今は私なんかがこんな態度でも全然怒らないし。


私が金持ちの家の子だから、適当にあしらわれてるだけなのか、素なのかはまだよくわかんないけど…

金かしてと言われても貸す気はないし、なにか勝手あげることすらない。
惚れることもない。

誘拐、監禁して親を脅す…とかこいつが考えてるなら話は別だけど……
さすがのこいつもそこまではしない気がするし。


とにかくよくわかんないから、こちらも適当にあしらっとくだけ。
深入りはまだしなくない。


「ねぇ、春翔?」


「ん?」


「関口ってどんな人なの?」


とにかくわかんないから、中学の頃から一緒の春翔に聞いてみた。


「んー、どんなんって言われてもな。
あんまり裏表がなくて、バカで、ちょっと天然。」


「天然?」


「なんでも信じやすいって言うのかな。
たとえばさ、さっきの舞桜の財布だって、あれどう見たって高校生がもつ財布じゃないじゃん。
なのに信じちゃったりさ。

ただ真正面からぶつかってくからたまにムカつくときもあるし、今日みたいに争っちゃうこともあるけど、基本的にはいいやつ。
見た目であんま人を判断しないしな。」


「えー。私めっちゃブスって言われてるけど。」


「そんなの嘘に決まってんじゃん。
構ってもらいたいだけ。
っていうか、本当のブスにブスなんて言えないっしょ。」


……私は本物のブスだよ…
こんな平々凡々の顔で……


「ま、別に仲良くしなくていいよ。
舞桜は、俺のとなりにいれば。」


……そういうさりげないのにヤられます。

なんか、春翔が彼氏ってなんか厚かましいっていうか…私なんかがいいのかなっていっつも不安になる。
今日も誰かに釣り合ってないって言われたしな…

そりゃそうだよなぁ…こんなかっこいいんだもんなぁ…


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