君の瞳に映りたくて。
「舞桜ってさー、好きな人とかいんの?」
「……まぁ好きな人はいるけど。」
「え、どんなやつ?同じ学校?」
「そうだよ。
どんな人かなー。かっこよくて、優しくて、友達思いで、誰よりも努力してる人かな。
その人が頑張ってる姿が一番好き。誰よりも上手なのに、誰よりも練習してて…」
「舞桜もそうじゃん。」
「え、そうかな。」
「だって、毎日走ってんじゃん。あんなに速いのにさ。
短距離も長距離もいけるなんてすげーよ。」
「……まぁ好きだからね。」
それに、和泉と過ごすようになってから本当に調子良い。タイムをはかってるわけじゃないけど、本当に軽く走れる。
こんな調子が続けば良いな。
「……あ!!」
「わっ…な、なに…びっくりしたなー。」
「やっぱ俺と花火いこ!」
「えーでも…」
「誰もいないとこなら良いんでしょ?」
「まぁ……でもうちの屋上からでもきれいに見えるけどね、それなら。」
「俺良いとこ知ってるんだって。
だから夕方出掛けよ。
あの浴衣、着るんでしょ?」
「まぁ着なくても良いんだけどさ。」
「いや!着て!舞桜の浴衣姿みたい!」
……だからこの人はさらっとすごいこと言うよね……