君の瞳に映りたくて。
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入学式の日、私はまさかの迷子となった。
「もー!ここどこー?学校はどっち!?」
引っ越してきたばっかでわかんないのに……お母さんのバカ!
なんで仕事いれちゃうんだ!娘の入学式じゃないか!
「うわ!もう8時過ぎてる!
………これじゃ完璧遅刻じゃん…」
もう…せめて誰かいてよ…なんで誰もいないの……
「北高の子?」
「え?」
振り向くとそこには、一人の男の子。
ふわっとセットされた黒い髪の毛に、程よく焼けた肌
綺麗な二重の大きな瞳に整えられた眉毛
俗にいうイケメンが立っていた。
「あ、新入生?急がないと遅刻だよ?
ま、俺もこのままじゃ遅刻なんだけどね。」
「え、えと…」
………先輩?かな?
「俺も北高。あ、制服見たらわかるか。
学校、行かないの?」
あぁ、そうだ!この人についていけば………
「あ、あの!
引っ越してきたばっかで土地勘がなくて…」
「あぁ、そうなんだ。
じゃあ一緒に行こっか。でも走るよ?遅刻しちゃうから。」
「あ、はい!」
「じゃあ行こ。」
そういって繋がれた手に、向けられた笑顔に、私はドキッとした。一目惚れとはこういうものなんだろうか。
それとも、走っているせいで上がった心拍数のせいなのか。
私は今、走っていることが最高に楽しい。
「うわー、間に合わなかったー!」
「………え?」
あの遠くに聞こえるチャイムは………もしかして北高!?
え、うそ!ほんとに?初日から遅刻?