君の瞳に映りたくて。
完成するなり、崩れないように階段を登って部屋へ行った。
エスカレーターかエレベーターがあれば良いのにと、こういうとき激しく思う。
「和泉!!」
今思えばいつもスッピンにポニーテールで女らしさを忘れてた私だけど、今日はちゃんと着飾ったから和泉に見てもらいたくてドアを思いっきり開けた。
「うわ!びっくりしたー…
………え…舞桜?」
「うん!そうだよ!
どう?馬子にも衣装でしょ?」
「い、いや…普通にかわいいって。」
「え…」
や、やばい。顔が紅潮していくのがわかる。
熱い。顔が熱い。
「あ、照れてる~!」
「う、うるさいよ!
言われ慣れてないだけ!!」
もう、ほんとだめだ。この人いると心臓もたない。
……でも、今日は和泉と二人で花火見られるんだもんね。
本当はだめなんだけど
本当はこんなこと思っちゃだめなんだけど
神様、ありがとう。
和泉を私のそばにいさせてくれて。