君の瞳に映りたくて。

秘密の場所




***


「そろそろ行くか~。完全に暗くなる前に!」


「あ、うん。
でもどこに行くのー?」


「俺の大好きなとこ。ま、ついてからのお楽しみ。」


大好きなとこ?
……気になる。

っていうか、そんなところ私が行っていいのかな。
ま、いいから連れてってくれるんだろうけどさ。
もう勝手に喜んじゃうからね。


「ってかさー、もうすぐ9月じゃん?
衛星放送映る?」


「有料のやつ?たぶん映ると思うけどなんで?」


「ヨーロッパサッカー、リーグ開幕なんだよ!!」


「……なんでそういう記憶ばっかり残ってるかな。」


「だから見てもいい?
朝方やるんだよね。」


「何時?」


「んーとね、1時とか。」


「え、夜中じゃん!
……部屋はダメだからね。」


「リビングならいいの?」


「いいよ。」


「やったね!!
俺んち見れないからさー。まじで俺今舞桜んちにいてよかったわー。」


「その前に体戻ったら無理だけどね。」


「泊まりに来る。」


「はは、無理に決まってるでしょーが。
彼女に怒られるよ!」


「うぇーーーー。」


ふふ、まぁ私もここにいてほしいのは山々なんだけど、でもずっとこのままはだめだから。



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