君の瞳に映りたくて。



「でも少しでも記憶が戻ったんだね!よかったぁ。

ちゃんと戻るよね、きっと。
早く記憶が戻ると良いな。」


今、彼女のことを忘れて私のそばにいてくれるのはすごく嬉しい。

でもやっぱり和泉はサッカーをやっていてほしいと思った。
さっき、サッカーの話をした和泉はやっぱり私の好きな和泉だったから。


「……なんかそれじゃ俺が邪魔みたいじゃーん。」


「えぇ!そんなつもりはないよ!!
ただ和泉は早く戻りたいかと思って……」


「…………まぁねぇ…」


…なに、その間。
それじゃまだ戻りたくない、みたいな。
まだ私といたいみたいに考えちゃうよ。

自惚れもいいところだけどさ、これじゃ。


「彼女がいても、体に戻っても、俺らは友達なんだよな?」


「え?そうでしょ?」


「だよな。」


友達、か。
…いいな、優衣ちゃんは。和泉のハートを射止めたんだもんなぁ…。


「和泉は優衣ちゃんのどこが好きなのかなぁ。」


「さぁなー。」


私が先に告白したら…結果は違っていたのかな。

……そんなことないか。
私は和泉と仲良くなかったもん。
優衣ちゃんは部活のときもよく和泉に話しかけに行ってたし、和泉も走ってる優衣ちゃんを見てた。

私はそんな和泉をずっと見てきた。
……いつか、私も和泉の目に映るときが来ればいいのに。



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