君の瞳に映りたくて。



「ごめんね、間に合わなかったや。」


「い、いえ………
私も足止めさせてすみませんでした。」


「入学式間に合わなかったわー。」


「え?あなたも入学式?」


「え?うん。
だって俺も新入生だし。」


え、そうだったんだ。
なんか勝手に先輩だと思ってたけど、そういえば先輩たちは明日からか…


「にしても足速いんだねー。びっくりした。
俺かなりダッシュしてたし!」


「陸上をやっていたので」


「へぇ、大会とか出てた?」


「まぁ…ただ私日本にはいなかったので「帰国子女!?」


「え、あ、はい。」


「へー、すっげ。
俺もねー、サッカーやってるんだー。
中学の時は全国大会にも出場してて、しかも俺エース!」


「じゃあサッカー上手なんですね。
………あれ、でも北高ってサッカー強かったですっけ?」


「強豪高に入って、上手いやつらとやるより、弱いチームを強くする方が燃えるじゃん!

それに、強豪に入ると、そこのやつらと戦えないし。
俺は絶対上手いやつらに勝って強くなる。

強いやつが勝つんじゃない。
勝ったものが強いんだ。」


「あれ、それどこかで聞いたことが…」


どこ、だっけ………


「世界的に有名なサッカー選手の言葉だから。

あ、学校ここだよ。
俺サボるけど、君は教室行きなよ。もしかしたら間に合うかもだしね。

じゃーね。」


「え、あ、ありがとうございました!」


でも、あの言葉は日本語で………
あれー?どこだっけ。



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