君の瞳に映りたくて。
私はいつも通り、Tシャツショーパンに着替えて、ポニーテールを綺麗に直してから和泉と家を出た。
先についてないと私の家が和泉の斜め前だってばれちゃうしね。
「あっつー。」
「なんか見た目暑そうだもん。」
「………いいね、暑さ感じないなんて。
うらやましいよ。」
和泉の家まで15歩くらい。
時間にして5秒と言ったところ。ほんとにすぐにつく。
ちょっと早すぎたかな。
あと10分近く待たなきゃ…と、思っていたのに
「早いな」
香坂はすぐに来た。
「香坂もね。」
「あちーし行くか。
乗れよ。」
「………はい?」
「だから、チャリの後ろ。乗れよ。」
「い、いやいいよ!重いし!タクシー使えば!」
「じゃあ俺のチャリはここに放置させる気かよ。」
「………それは困るけど…」
「さっさと乗れよ。」
「………はい。ほんと、重いからね。」
「そりゃ人間だからな。」
とりあえずちょっと怖いから、言われた通り後ろへ乗った。
「じゃあ行くぞ。しっかり掴まっとけよ。」
香坂はそういって、ゆっくり走らせた。