君の瞳に映りたくて。
…にしても、今日も完璧なくらい可愛かった。
服も、メイクも、髪型も。
………私なんかスッピンで、ポニーテールで、Tシャツショーパンと、なんともおしゃれ感がない…
和泉がうちに住み着くってなったとき、色々大変かと思ったのに私はいたっていつも通りだし………女子力ひっく。
「あの、これ。
サッカー部のスケジュール出たんで。
春翔が目を覚ましたら渡してください。」
うん、ここにいるんだから直接言えばいいのに。
「わかったわ。」
「じゃあ俺たちもこれで。
また来ます。」
「いつもありがとね。」
「失礼します。」
私も頭を下げて、香坂と病室を出た。
「………私はいつから香坂の彼女になったのかな?」
「あぁ言うのが一番手っ取り早いだろ。
余計な詮索されなくて済む。
正直に話したって信じてもらえないだろうし、信じたら信じたら自分の彼氏が他の女と住んでるなんて知ったらあの女も怒るだろ。」
「………確かに。
でもさ、もうすぐ夏休み終わるよ?
そんな噂たったらどうすんのさ。」
「あ、そういえばそうだな。」
「そういえばって…意外となんにも考えてないね。」
「………笑ってんじゃねーよ。」
「だって…なんか意外すぎて。」
すべてを頭で計算し尽くしてる感じなのに。
意外とバカなとこあるんだなーって。
「まぁ否定するか別れたってことにすればいっか。」
「別れた路線なら俺がフったってことで。」
「えぇ!私がフラれたの?」
「お前のアホさ加減に嫌気がさしたってことで。」
「ちょっと。ひどいんだけど。」
「はは、いいだろ。
まぁ噂にならないことを願うだけだな。」
「ほんとだよ!全く。」