君の瞳に映りたくて。


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「………ここが香坂んちかぁ。」


すっごいきれい。そしておしゃれ。
この普通じゃない形がまたおしゃれ。


「早く入れよ。」


「あぁ、うん。」


大きさで言えばうちと和泉んちの間くらい。
そこそこ広いし、とにかくこのデザイン住宅がすごい。


「う、わー、すっごい。」


中に入れば吹き抜けで、大きなシャンデリア。
なんなんだ、この洋館は。


「香坂ってお金持ちなんだね。」


「別に。普通。
この家は見栄みたいなもん。」


「でもあのシャンデリア、100万超えてるでしょ。
アメリカの家にも同じくらいのあるけど160は…」


「アメリカ?」


「え?…あぁ!アメリカに旅行にいったときに、同じくらいの商品をみたことあるってだけ!

その時日本円で160万はしてたよなぁと思って!」


「うちのはそんなしねーよ。」


「ご両親は何してる人?」


「父さんは医者で、母さんはデザイナー。
この家をデザインしたのも母さん。」


「へぇ、さすがだね。
でもお父さんがお医者さんだとさ、病院継げ!とかならないの?」


「なるな。開業医だし。
でも俺がなれると思うか?北高だぞ?
ムリムリ。親ももう諦めてる。」


「香坂はなりたくないの?」


「自分の将来なんて、まだ真剣に考えたことねーよ。
ただ今は勉強してるより、サッカーしてる方が楽しいし。
医者になる気はさらさらないし、なりたくても俺の頭じゃ無理。」


「…ふーん。」


「あら、おかえり。
………そちらの方は?」


え、お母さん…?


「同じクラスの宮下。」


「あ、宮下舞桜です。
お邪魔してます。」



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