君の瞳に映りたくて。



「悪い、待たせた。お茶でいい?」


「あぁ、うん。よかったのに。」


「外暑かったしな。
春翔は?いる?」


「はは、もちろん。
和泉がいなきゃ話になんないもん。」


和泉の写真を見に来たんだしね。


「ま、それもそうだけど。
えーと…これ。」


「私もみていい?」


「いいよ。」


「じゃあ失礼しまーす。
和泉もこっちおいでよ。一緒に見よ。」


「あ、おう。」


いつもならすぐ隣にいる和泉は、なんだか今は少し遠い。そんな離れてたら見れないのに。


「思い出したことあったらちゃんと言ってね。」


私は和泉にそういって、中を拝見させていただいた。



………なんだ、ちゃんと幼い。
中学生の頃?

和泉、笑ってる。
笑顔は変わんないね。かっこいい。


「和泉ってさ、中学生の頃からモテたでしょ。」


「あー、そうだな。人気あったな。」


「ふふ、やっぱり。
あ、これ香坂だ。うわー、今よりだいぶ幼い。
この頃は可愛いげがあったんだね。」


「うるせーよ。」


「はは、照れなくていいのに。」


どの写真にも和泉が写ってて、和泉と本当に仲が良かったんだなって改めて思った。

どの和泉も笑ってて、楽しそうで………
私もこの笑顔を間近で見たい、そう思った。



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