君の瞳に映りたくて。
帰り道。
***
「お邪魔しました。」
「だから送るって。」
「いや、ほんと大丈夫だから!
和泉もいるし、なにかあれば走るし!
ってか走って帰るし!」
「………あっそ。わかったよ。
じゃあまたなんかあれば連絡するから。」
「うん、わかった。
じゃーね、また。」
「おう。」
結局なんの収穫もなく、今日も家へと戻る。
「まーお。」
「…ひゃあ!な、なに…!」
急に和泉が後ろから抱きついてきて…
「俺疲れた。家まで連れて帰って。」
感覚はない。和泉も私には触れてない。
だけどこの密着はさすがに………耳元で和泉の声が聞こえて………
「連れてって…どうやって…」
「こうしてれば俺、勝手に舞桜に引っ張られて行くから。」
「っていうか疲れたって…なら先家戻ればいいのに…」
「やだ。
それじゃ舞桜の事守れないし。
いいじゃん、これくらい。」
ぜ、全然良くないよ!!
和泉は良くても私の心臓が壊れそうだよ………
「あ、舞桜顔赤い。照れてる?」
「は、恥ずかしいに決まってるじゃん!」
「はは、かわいー。」
もう!なんなのこの人!
私で遊んでるでしょ!