君の瞳に映りたくて。



「ほら、舞桜。歩かないと帰れないよー?」


………もう…仕方ない、行こう…。


「舞桜の好きなやつって誰ー?」


「だから内緒だって。」


「俺の知ってるやつ?」


「そりゃね。同じ学校だから。」


っていうか和泉だし。


「めっちゃ気になる。」


「気にしないで。」


言えるわけないじゃん。
彼女のいる和泉に、和泉のことが好きだなんて。

私がむなしくなるだけ。


「告白しないの?」


「しないって。
………あ、そういえば今日優衣ちゃんと会ったじゃん。
どうだった?あの時なんか複雑そうな顔してたけど。」


「あー、あの女は別に。
俺こいつの事好きなの?まじで?みたいな。」


「えぇ!そんなんなの!?」


「強いて言うなら、可愛いとは思った。
俺のタイプではあるなとは思った。顔は。」


「あぁ、そうなんだ。」


そうだよね、うん。
ああいうのがタイプなんだよ、和泉は。

………ああいう女の子らしいのがね。


私と違いすぎて、嫌になる。


< 86 / 500 >

この作品をシェア

pagetop